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婦人科

当院では女性医師による婦人科診察日を設定しております。
完全予約制となるため、ご予約の上でお越しください。

婦人科診療について

婦人科

女性の心身の状態は、女性ホルモンの変動に大きく影響されます。思春期から成熟期、妊娠や出産、更年期、中高年期、老年期など、ライフステージに応じて女性ホルモンの分泌が変化します。婦人科診療では、婦人科疾患やこれらの女性ホルモンの変化による心身の不調などに対応しています。
女性ホルモンの変化による症状は多岐にわたります。女性の心身は非常にデリケートであり、なんとなく調子が悪いなというのも、女性ホルモンの乱れによるものであることがあります。心身の不調や不安がある場合は、お気軽に当院にご相談ください。

女性特有の症状があったらご相談ください

女性特有の症状として、おりものや不正出血、月経不順、下腹部痛などが挙げられます。さらに、全身の倦怠感や慢性的な肩こり、腰痛、貧血、泌尿器系の症状なども女性の身体の不調に関連しています。これらの症状に対して、婦人科を受診することで症状緩和に繋がることがあります。女性の方が不調を感じられたらまずは婦人科を受診されるようおすすめしています。
当院では、幅広い範囲の女性の症状に対応した診療を行っています。また、検査や詳細な診断結果に基づいて、必要に応じて専門的な治療や入院加療が必要と判断された場合には、高度医療機関をご紹介し、今後の治療をスムーズに行えるよう進めております。

体調を知るための基礎体温表

基礎体温表基礎体温表は、排卵日や月経予定日、月経不順、排卵の有無、そして妊娠など、女性の身体の状態を把握する上で貴重な情報源です。婦人科を受診する際に基礎体温表を提出していただければ、ホルモンの変化を詳細に把握し、より適切な診断と治療を行うことができます。
また、日常生活でもご自身で体調の変化を知ることができるため、健康管理が可能になりますので、普段から基礎体温表を記録することをお勧めしております。
特に、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋腫、卵巣嚢腫などの婦人科疾患がある場合は、早急な治療が必要です。これらの疾患では、月経痛や月経不順などの月経異常が頻繁に起こります。月経異常にお悩みの方は、まずは当院にご相談ください。

代表的な疾患

月経痛(月経困難症)

月経痛(月経困難症)

月経の際に下腹部痛や腰痛、吐き気、食欲不振、頭痛、イライラ感、憂鬱感、疲労、脱力感、下痢、腹部膨満感などの症状が現れる状態を月経痛と呼びます。これらの症状が重症で、日常生活に支障をきたす場合は、月経困難症とされます。特に思春期の女性は、子宮がまだ十分に発達していないため、月経血の通り道が狭く、月経痛が強くなることがあります。月経痛がひどく、生活に支障をきたす場合は、当院にお早めにご相談ください。

月経困難症の種類

機能性月経困難症

子宮や卵巣などの組織に異常が見られないにもかかわらず、月経痛が強い状態を機能性月経困難症と呼びます。この状態では、月経血の出口が非常に狭い場合や、プロスタグランジン分泌が体質的に多い場合に月経痛が強くなります。
機能性月経困難症は、通常、初経後2〜3年から始まります。好発年齢は15〜25歳前後であり、加齢とともに症状が改善することが多く、特に出産後に改善するとされています。
月経痛の性質は、痙攣性と周期性の2つに分類されます。

器質性月経困難症

月経が始まる4〜5日前から月経後まで、持続的な鈍痛が続く状態は器質性月経困難症と呼ばれます。この症状は、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症などの器質的な異常が原因で発生します。特に、20代以上の女性によく見られ、子宮内膜症や子宮腺筋症が主な原因です。

月経困難症の治療

婦人科系の疾患の有無を確認するために検査を行います。子宮内膜症や子宮腺筋症、子宮筋腫などの原因が見つかった場合は、その疾患に対する治療を行います。一方、原因となる疾患が見つからず、機能性月経困難症と診断された場合は、プロスタグランジン阻害薬や経口避妊薬を用いた治療が行われることがあります。

ピルの服用

ピルの服用により、月経痛の様々な症状を緩和することができます。特に、月経痛の症状が強くある機能性月経困難症の場合でも、ピルの服用は高い効果を期待することができます。ピルの服用により、月経痛の症状が軽減されるだけでなく、月経周期を正常なサイクルに戻すことも可能です。

おりものの異常

おりものは女性の生殖器からの分泌物であり、女性ホルモンが正常に働いて分泌されている生理現象です。通常のおりものは、無色透明に近く、無臭です。下着に付着して時間が経つと、黄褐色に変化することがあります。おりものの量は排卵期に増加し、月経前には徐々に減少します。また、性交時には膣内で精子を子宮内に導き、性的な興奮時には分泌量が増加します。
神経質になる必要はありませんが、おりものは様々な婦人科疾患の兆候となります。おりものの量や色、臭い、さらさら・ねっとりなどの質感でいつもと違うと感じたら、お気軽にご相談ください。

こんなおりものに気付いたら受診をおすすめします

  • おりものの量が増えた
  • 膿のような色や質感、臭いがあり気になる
  • 生理ではないのにおりものに血液が混ざっている
  • 外陰部が痒く、ただれや湿疹、熱感、痛み、臭いなどがある

子宮筋腫

子宮内の筋肉に発生する良性の腫瘍を子宮筋腫と呼びます。その大きさは1cmほどからソフトボールほどまで様々で、複数の筋腫ができることもあります。月経困難症などの症状が起こりやすく、血液が不足して貧血になることもありますが、症状がない場合も少なくありません。また、子宮筋腫には子宮の内側にできる粘膜下筋腫と、子宮の外側にできる漿膜下筋腫があり、粘膜下筋腫の場合、月経量が多くなります。
子宮筋腫の治療は、薬物療法と手術による治療があり、筋腫の発生場所や症状、年齢、生活習慣などに応じて適切な治療が行われます。

子宮内膜症

子宮内膜症は、子宮の内側を覆っている子宮内膜が、本来あるべきでない場所(腹膜や卵巣・卵管・腸など)に出来てしまう疾患です。月経周期に合わせて繰り返し出血や痛みなどの症状が現れます。また、基本的には卵巣、卵管、子宮周囲の腹膜などにできますが、稀に子宮から遠く離れた肺などにできることがあります。
卵巣に血液が溜まる卵巣チョコレート嚢腫や子宮内膜が子宮筋層内に増殖して子宮が腫れる子宮腺筋症なども子宮内膜症とされます。

子宮内膜症の症状と治療

無症状のケースもありますが、一般的には強い月経痛が主な症状となります。子宮内膜症は、年々痛みが増す傾向があります。治療方法は、患者さんの年齢や生活習慣だけでなく、将来の妊娠計画などによっても異なります。患者さんの症状やライフスタイルなどを丁寧にお伺いし、適切な治療方法をご提案しております。

不正出血

月経期以外に生じる性器出血を不正性器出血と呼びます。これは、女性ホルモンの異常や疾患によって引き起こされることがあります。中間期出血と呼ばれる排卵期に起こる出血もありますが、一般的に心配のないものです。
出血の色は、出血の量や時期によって異なり、鮮血から茶色や黄色などさまざまです。不正性器出血が起こった場合は、まず婦人科を受診し、がんや炎症などの治療が必要な疾患が原因でないかを確認することが重要です。

不正出血を起こす要因

  1. 機能性子宮出血(女性ホルモンの影響)
  2. 器質性子宮出血
    • 悪性腫瘍(がん)
    • 良性腫瘍(子宮筋腫・ポリープなど)
    • 排卵期の出血
    • 子宮内膜炎などの炎症
    • 流産などの妊娠における異常

不正出血の治療

不正出血には様々な種類や症状がありますので、原因に応じた適切な治療が必要です。
そのため、婦人科がん健診や性感染症検査などを行います。

機能性出血

エストロゲンやプロゲステロンを補充するホルモン療法です。

排卵期出血

基礎体温表を用いて卵巣機能を調べることがあります。

器質性出血

原因疾患の治療を行います。更年期以降に多く見られる萎縮性膣炎の場合、ホルモン補充療法を行うことがあります。

子宮頸がんワクチンについて

HPVワクチンは、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染を防ぐための予防接種です。HPVは性行為によって感染し、子宮頸がんや外陰部がん、咽頭がんなどのがんや性器イボを引き起こすウイルスです。HPVワクチンは、主に若年層に推奨され、通常は2〜3回の接種が必要です。接種により、HPV感染のリスクが低減し、がんや性器イボの発症を予防できます。
通常2〜3回の接種で、安全性が確認されています。副作用として一時的な腫れや痛みがあります。ただし、完全なHPV感染の予防を保証するものではないため、適切な予防策(例:避妊具の使用)も重要です。

HPVワクチンについて